ドローン国家資格

2022年6月20日施行の無人航空機登録義務化、ドローンを取り巻く状況と制度概要│ドローン機体

2024.02.08
2022年6月20日施行の無人航空機登録義務化、ドローンを取り巻く状況と制度概要│ドローン機体

無人航空機の登録制度概要


すでにドローンの機体を所有している、資格を取得している、という方はご存じかもしれませんが、令和2年6月24日に公布された改正航空法に基づき、無人航空機の機体の登録制度が創設されました。

所有者等の把握、危険性を有する機体の排除等を通じ無人航空機の飛行の安全の更なる向上が目的とされ、それに伴い、令和3年11月25日に公布された政省令等により、令和4年6月20日に無人航空機の登録が義務化されます。

登録対象となるのは、重量(本体重量+バッテリー重量)が100g以上の無人航空機で、登録にかかる費用は申請方法や本人確認方法によって異なります。

登録有効期間は3年間で、更新の際は再度登録料の支払いが必要です。


今回の航空法一部改正で新設された項目は以下三つです。

①登録義務関係
・無人航空機は登録を受けなければ航空の用に供してはならない
・安全上問題のある無人航空機の登録拒否
・3年ごとの更新登録
・変更届出
・抹消登録
・不正登録時等の登録取消し

②表示義務関係
・無人航空機は登録記号の表示等の措置を講じなければ航空の用に供してはならない

③その他
・安全上問題のある機体や表示義務違反に対する国土交通大臣の是正命令

ドローンを無許可・未登録で飛ばした場合、あらかじめ禁止された飛行空域や飛行方法を無許可で飛ばしたり、100g以上のドローンを購入後、機体登録手続きをせずに飛行させることは、航空法違反になり、航空法に違反した場合、「1年以下の懲役」又は「50万円以下の罰金」が科せられます。

ビジネスでの利活用が増えた今、安全なドローンの飛行を行うため「だれが」「どこで」「どんなふうに飛行したか」を国が主体となり管理する仕組みが整ったと言えます。

今までは事故が発生しても機体の所有者がわからなったり、なぜ事故が起こったのかの原因究明が進まないなどが問題視されていましたが、安全確保のため問題のある機体の登録を拒否することができるようになり、大きな事故を未然に防ぐことができるようになりました。

詳しくは国土交通省のHPでご確認ください。



無人航空機登録制度の目的

無人航空機登録制度は、一般的にはドローンなどの無人航空機(UAV)の所有者が、その機体を法的に登録するための制度です。

航空安全: 登録制度は、無人航空機を運用する者が責任を持ち、航空安全を確保することを促進します。登録によって、無人航空機の所有者や運用者が識別され、適切な訓練や知識を持っていることを確認できます。

違法利用の防止: 登録制度は、無人航空機の所有者の身元を確認し、違法な使用や悪用を防止するために役立ちます。登録された無人航空機は、所有者によって追跡され、盗難や紛失時の特定が容易になります。

航空法規制の順守: 登録制度は、無人航空機の運用に関する法規制を順守することを促進します。登録された無人航空機は、特定の地域や空域での飛行制限や規制を遵守する必要があります。

登録制度の詳細は国や地域によって異なりますが、通常は無人航空機の所有者が特定の手続きを経て登録申請を行い、登録番号やラベルを機体に取り付けることが求められます。





避けて通れないドローンとプライバシーの問題


ドローンの所有者を国が把握する理由は、公共の安全とプライバシーの保護です。
ドローンは、無人航空機の一種で、遠隔操作や自律的なプログラムによって飛行する小型の航空機です。一般的にはリモートコントロールや事前にプログラムされたルートによって操縦され、カメラやセンサーを搭載してさまざまな任務を遂行することができます。

複数のセンサー(GPS、加速度計、ジャイロスコープ、距離センサーなど)を搭載し、周囲の状況や位置を正確に把握して自律飛行を行っています。これらのセンサーデータをリアルタイムで解析し、フライトパスや避障、高度調整などの制御を行います。

さらに、機械学習や人工知能のアルゴリズムを使用することで、環境の変化に適応し、最適な飛行ルートや任務の実行方法を学習することができます。これにより、様々な状況において人間の介入なしで安全かつ効率的に飛行することが可能となるのです。

自律飛行技術の進歩によりさまざまな業界で幅広い用途に活用されるようになったことで、「プライバシーの問題」も同時に取り上げられるようになりました。

ドローンが制限空域や飛行禁止区域に不正に侵入すれば、当然航空安全に影響を及ぼす可能性があります。またカメラを搭載した機種が多いため、ドローンの飛行は他人のプライバシーを侵害する可能性と隣り合わせです。
ドローンが関与した事件や事故が発生した場合、所有者の把握は事件の追跡や調査に不可欠ですが、所有者情報がなければ、ドローンによって誰かのプライバシーが侵害された際に適切な責任を追及することが困難になります。

ドローンの所有者を国が把握することでこれらの法規制の遵守を促進し違反者を追跡することができます。ドローンによる第三者へのプライバシー侵害は今後も考えていかなければならない重要な課題と言えます。




ドローンの機体登録による機体識別の仕組み

リモートIDは、ドローンが飛行中に発信する識別情報のことです。
これは、ドローンの所有者や運航者が識別され、他の航空機や地上の人々にそのドローンの存在と位置を通知するためのシステムです。
ドローンに搭載された通信装置やシステムがリモートIDを生成し通信装置が無線通信を使用してドローンの識別情報を周囲の人々や他の航空機に伝達します。

リモートIDは、ドローンの位置、高度、方向などの情報をリアルタイムで提供し、空域内での安全な飛行を支援する役割を果たします。このようなシステムは、ドローンの飛行を管理し、衝突回避やプライバシー保護などの目的に役立ちます。

航空安全: リモートIDは、他の航空機や地上の人々がドローンを識別し、その動きや位置を把握するのに役立ちます。これにより、航空事故や衝突を回避するための安全な飛行が促進されます。

法規制の順守: リモートIDは、ドローンの所有者や運航者を特定し、地域の航空規制や法律に従うことを確保するために使用されます。特定の空域での飛行制限や飛行禁止区域がある場合、これに違反しないようにするためにも必要です。

セキュリティ: リモートIDは、不正な目的で使用されるドローンの追跡や識別に役立ちます。犯罪捜査やセキュリティ対策の一環として、ドローンのリモートIDが必要とされることがあります。




まとめ

ドローンの機体登録義務は、今後のドローンの利活用において責任の所在を明らかにしたり、重大な事故を未然に防ぐために重要な施策と言えます。
ドローンのビジネス利活用はこれからも益々発展していくと言えるでしょう。




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