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皆さんこんにちは。ドローンナビステーション編集部です。
今回はドローンメーカーについてのお話です。
ドローンメーカーで有名なのは中国のHoly StoneやYuneec、Autel Robotics(オフィスはアメリカ)、水中AIロボティックデバイスの量産を実現しているPOWERVISION、フランスのParrot、そしてドローンに携わる方ならば必ずご存じであろう「DJI」ではないでしょうか。
DJIは、言わずと知れた世界的なドローンメーカーです。世界シェアは7割以上とも言われ、ドローンナビステーションをご覧の皆さんもDJI製のドローンに接する機会が多いかと思います。
DJI(ディー・ジェイ・アイ)は中国の深センに本社を構え、2006年に創業しました。もともとはマルチコプターのフライトコントローラを作っていたメーカーですが、次第に組み立て済みのドローンを販売するようになり、2013年には「Phantom」シリーズと呼ばれる空撮用ドローンが世界的に大ヒットして、今の地位を築きました。
カメラドローンでは「Mavic」「Air」「Mini」「FPV」「Phantom」「Inspire」「Spark」、インテル、Ryze社と共同開発した「Tello」などが有名です。
産業用ドローンでは「Matrice」「Mavic Enterprise Advanced」「Phantom RTK」「Multispectral」などが最近ビジネスの現場で利活用が進んでいる機体なので、ご存じの方も多いでしょう。
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圧倒的なシェアを握っている最大の理由は、性能の良さと、価格の安さです。
一般の方が購入する民生用の空撮ドローンとしては、DJIに匹敵するメーカーは存在しないと言っても過言ではありません。
DJI製品のコストパフォーマンスの高さを体感したエピソードがあります。
2018年にDJIから「MAVIC AIR」という機種が発売されました。この機種は4K動画撮影ができ、3軸ジンバルが内蔵され、さらに障害物検知やアクティブトラック(動いている物体を追いかける機能)があるという、当時としては画期的な機種でした。
当時、MAVIC AIRは10万円前後で販売されており、当時の日本のメーカーが手で持つ撮影機材を同じ価格で販売していたころ、DJIは、ジンバルが組み込まれ、空を飛び、物を避け、人を追いかける撮影機材を同じ値段で販売していたことになります。
当時の私は、MAVIC AIRの手振れ補正の性能の良さに感嘆し、このドローンを手持ちビデオカメラとして使っていたのをよく覚えています(傍から見ると変な人だったかもしれませんが)。
それほど性能とコスパに優れた商品だったのです。
この性能とコスパは、今でも他の追随を許さない状況が続いています。
現在DJIでは、民生用のドローンをいくつかのラインナップに分けて販売しています。例えばMavic 3シリーズ、Mavic AIRシリーズ、Mavic MINIシリーズがあり、それぞれ20万円以上、10~20万円、10万円以下の価格帯で、上級者から初心者まで幅広くカバーしています。それぞれ圧倒的な空撮能力を持っており、DJIの倍の金額を出しても同様の性能のドローンを他社で買うことはできないでしょう。10倍出しても買えないかもしれません。
また、DJIといえば、ドローンだけでなく、様々な撮影機材も販売している総合映像機材メーカーです。YouTubeやTikTokをよく見る方ならば、Osmo PocketやOsmo Action、Osmo Mobileなどをご存じかもしれません。
動画クリエイターならば、必ず一つはOsmoシリーズを持っていると断言しても過言ではないでしょう。特にOsmo Pocketは根強い人気を誇り、小型手持ちジンバルカメラというジャンルそのものを切り開いたカメラです。またプロの映像制作の現場では、Roninシリーズが不可欠な存在となっています。
DJI商品の優位性を象徴する『うわさ話』として、「DJI JAPANには営業担当者がいない」というものがあります。
DJIのドローンは性能が高く、日本メーカーのドローンとは比較にならないほどなので、営業活動をしなくても売れると言われています。DJI JAPANは営業活動を行わない代わりに、社内リソースを修理とアフターサポートに集中しており、その点でも他メーカーに勝っています。まさに製品の優位性が生んだ珍しい事例かもしれませんね。
ところで、DJIは民生用ドローンの世界で特に著名ですが、実は業務用ドローンの分野でも力を発揮しています。特に、産業用ドローンのラインナップとして知られるMatriceシリーズは、その領域でのDJIの技術と革新性を象徴しています。
また、Matriceシリーズは、業務用としての要求に応えるために防塵防水機能を備え、さらにカメラは可視光だけでなく、赤外線やマルチスペクトルカメラ、ライダーやレーザー距離計など、多様なペイロードに対応しています。
これにより、点検や測量、作物の育成状況の把握など、様々な業務への対応が可能になり、単なる撮影ツールというよりは、空中から情報を収集するプラットフォームとしての機能を果たしています。
DJIは農薬散布用ドローンも展開しており、世界中の圃場で利用されています。
日本では、古くから無人ヘリコプターによる農薬散布が活発に行われており、2000年前後には無人航空機の大国として知られていました。しかし、無人ヘリコプターは操作に高度な技術が必要で、機体も内燃機関を用いるため小型化が難しいという問題がありました。
DJIはこの分野にも進出していますが、実は、日本国内においてはDJI一強とは言えません。ヤンマーやマゼックス、NTT e-Drone Technologyなど、日本の圃場に特化した設計を持つ国産ドローンも、多くのシェアを握っています。
これは、日本の圃場が世界的に見ても非常に小規模であるため、海外製の農薬散布ドローンでは小回りが利かず、使い勝手が悪いことが原因です。日本製ドローンは、これらのきめ細やかなニーズに合わせた設計で市場に差別化を図っています。
このように、DJIは単に民生用ドローンのトップメーカーとしてだけでなく、業務用ドローンの分野でもその技術と革新性を発揮し、多岐にわたるニーズに応えているのです。
それでは、ここからはDJIで販売している商品を、簡単にご紹介してまいります。
2023年12月現在、DJI Mavic 3までが発売されています。
前モデルまではMavic Proというシリーズ名で販売されており、初代モデルから「小型コンパクトというパッケージングの中で最高画質の空撮を」というコンセプトで発売されています。現行モデルも例に漏れず、折り畳み可能で持ち運び可能な機体ながらも、映像はプロの動画クリエイターも納得するほどの高品質を謳っています。
また、民生用のフラッグシップモデルとして、DJIドローンの最新技術がふんだんに取り込まれている機種でもあります。全方向障害物センサや複眼カメラなど、常に同社の最新技術が取り込まれています。
また業務目的でも広く使われており、例えばテレビの旅行番組などはDJI Mavicシリーズで撮影されていることも多いです。
使用用途が空撮メインで、画像には一切の妥協をしたくない。という方が、真っ先に検討すべきドローンと言えます。
空撮用ドローンとしては初心者~中級者向けのシリーズです。
かつてはDJI Mavic Airというシリーズ名でした。このシリーズの初代モデルであるMavic Airは、手のひらに乗るサイズでスタイリッシュな見た目ながら、4K動画撮影ができるという、ドローンの民衆化に大きく貢献した商品でした。
現在ではDJI Mavicシリーズの下位モデルとして位置づけられており、見た目もDJI Mavicシリーズの弟分といった様子です。2023年12月現在、DJI Air 3まで発売されております。
かつてはMavicシリーズと比べると、金額や性能、質量など大きな差がありました。しかし近年のモデルチェンジと性能アップに伴い、段々と大型化してきており、両者の差は近づきつつあります。
Mavicシリーズはセンサーサイズが4/3型と、レンズ交換カメラ並みに大型です。よってその性能をフルに生かそうとすると、絞りやシャッタースピードなどカメラの知識が必要です。一方のDJI Air 3はセンサーサイズが1/1.3インチと汎用のサイズであり、手軽に高画質の映像を撮影したいというニーズにはぴったりです。価格的にも入門用ミラーレス一眼のレンズキットを購入するのと大差なく、空撮は初めてだけれども映像は妥協したくないという方にピッタリのドローンと言えます。
空撮用ドローンとしては入門にあたる機種が、こちらのMiniシリーズです。初代のMavic Miniは、当時としては驚異的な199gという軽さ(日本国内使用)で、世界に衝撃を与えた機種でした。この機種が発売された2019年当時の日本は、200g未満の空撮用ドローンが世に現れるとは想定しておらず、ドローンの法規制も200g以上のドローンを対象にしていました。
Mavic Miniが発売されて間もなく、ドローンの規制が100g未満に変更されました。その経緯だけを見ても、日本の法律を変えるほどの衝撃的なデビューを果たした機種でした。
また初代Mavic Miniの価格も5万円台という価格も衝撃的で、手持ちビデオカメラとさほど変わらない値段で空撮ドローンが買えてしまう金額感でした。
2023年12月現在、MiniシリーズはDJI Mini 4 ProとDJI Mini 3の2つのラインナップが販売されています。どちらも「なんでこの小ささ・軽さで、こんなに高性能なの? なんでこんなに安いの?」という理解し難いパッケージングで、実は宇宙人の技術が入っていると言われても、納得してしまうような商品となっています。
DJIのラインナップとしては入門機として位置づけられていますが、実はプロも愛用する人が多い機種でもあります。
MavicやAirシリーズは、小型と言いつつも、人に当たったら大けがをしてしまう大きさです。一方Miniシリーズは、スマートフォンと変わらない重さで、オプションでプロペラを360度覆うカバーも用意されていることから、人と接近した空撮が可能という唯一無二の特徴があります。
人の隙間を縫った飛行や、室内での飛行など、小回りを生かした撮影の為にあえてMiniシリーズを使うという場面も見られます。
また、趣味で空撮を始めてみたいという人には、まずMiniシリーズをおススメします。鬼コスパと高性能で9割以上の方は満足できるでしょう。もしこれで満足できないほどの沼にはまり込んでしまったら、Mavicシリーズをどうぞ。
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ハリウッドなどのプロの映像制作現場で使われている、フラッグシップのレンズ交換式空撮ドローンです。2023年12月現在、DJI Inspire 3まで発売されています。映画やテレビの撮影では、カメラドリーと呼ばれる、クレーンの先にカメラを載せたり、レールの上の代車にカメラとカメラマンを載せて横移動させるような撮影手法がよく使われます。
このカメラドリーの役割をドローンに担わせ、シネマカメラを3D空間上のあらゆる場所に持って行ってしまおうという発想で生まれたのが、Inspireシリーズです。映画、テレビ、CMなど、皆さまも気が付かないだけで、このドローンで撮影された映像を見ているかもしれませんね。
YouTuberご用達で一役有名になったポケットカメラです。この商品が発売されるまでは、手のひらに収まるサイズの4Kカメラに、3軸スタビライザーを搭載するというパッケージは存在していませんでした。動画クリエイターなどの間でその良さが徐々に広がり、口コミで広がったカメラです。
実はOsmo Pocketのカメラ駆動部分をよく見ると、DJI製ドローンのカメラ部分と非常に良く似たつくりをしています。まさにDJIでないと作ることができなかった商品かもしれません。2023年12月現在、Osmo Pocket 3まで発売されています。このモデルは画面が縦・横に切り替えできるのが特徴で、画質も1インチセンサー搭載のD-Log M & 10-Bit撮影可能で、プロのクリエイターでも第一線で使える妥協のない性能を持ったカメラに仕上がっています。
アクションカメラはGoProという猛者が市場を闊歩する、他社メーカーが参入するには非常に厳しい市場です。かつてSONYやPanasonicなどもこの市場にチャレンジしましたが、GoProに返り討ちにされた過去があります。
DJIがアクションカメラ市場に参入したのが、このOsmo Actionシリーズです。前面・背面のデュアルディスプレイをいち早く搭載したり、カメラとモニタが分離したりと、GoPro HERO Blackシリーズにはない特徴を売りにして差別化を図っているのが特徴です。
2023年12月現在、Osmo Action 4まで発売されています。GoProが従来通りエクストリームスポーツを好む人向けの商品を作り続ける中、Osmo Action 4は日常使いの高画質を謳っており、両社それぞれ差別化されたアクションカメラとなっています。
カメラ用のジンバルです。すでにミラーレス一眼での動画撮影も一般化しましたが、それらと組み合わせて使用するアマチュア~セミプロの映像クリエイターの増加と共に市場も拡大してきた分野です。カメラ用ジンバルはライバルも多く、DJIの他にもZhiyun TechやFeiyuTech、MOZAなど様々なメーカーが存在しますが、DJIはその中でも一番存在感のあるメーカーとなっています。
アマチュア動画クリエイターのあこがれは、DJI RS 3 Miniの上に、ソニーの24-70mm F2.8 GMレンズを付けたα7markⅣの組み合わせで、都会に撮影へ繰り出すこととか。格好良いですね! ちなみにソニーαシリーズのプロモーション動画にジンバルが映りこむことが多々ありますが、たいていDJIのRoninシリーズだったりします。非公式ではあるものの、SONYとしてもお墨付きなのかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
よく「ドローンの歴史はDJIの歴史だ」という人がいます。空撮用ドローンではまさしくその通りで、DJIが切り開いてきた分野であるが故、どうしても分量が多くなってしまいます。
業務用ドローンを除き、一般の方が触れる機会のある空撮用ドローンは、ほぼDJI製品になるかと思います。言い換えれば、DJIの歴史や製品に詳しければ、それだけでドローンのプロフェッショナルに成れてしまえるかもしれません。
今回ご紹介した記事は民生用商品のみで、本来はこれと同じぐらい、産業用ドローンの多彩なラインナップが存在します。そちらはまた別の記事でご紹介させて頂く予定です。
この記事がきっかけで、ドローンに興味を持っていただける人が一人でも増えることを望んでおります。
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