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ドローンは用途と目的で選ぶ。ドローンの正しい選び方│ドローン機種紹介

2024.01.10
ドローンは用途と目的で選ぶ。ドローンの正しい選び方│ドローン機種紹介

こんにちは。ドローンナビステーション編集部です。

今回はドローンの種類についてご紹介していきます。みなさんは、ドローンと一言で言っても、様々な種類があることはご存じでしょうか。みなさんがよく知るカメラが搭載された空撮が出来るものから、緊急物資の配達、さらには防災や点検に至るまで、ドローンは私たちの生活のあらゆる場面で活躍しています。

我々ドローンナビステーションにも「ドローンを使ってみたい」「空撮で動画を撮りたい」「撮影用ドローンと産業用ドローンの違いは?」といったご相談が多く寄せられていますが、「ドローンを使って何がしたいのか」によってご案内する機種は大きく異なります。

今回はそんなドローンの種類と、またそれぞれのドローンを使ってどのようなことが出来るのかのご紹介をしてまいります。

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・撮影用ドローン

主に空撮に用いられるドローンです。多くの方に一番馴染みのあるドローンで、ドローンというとまずこちらを思い浮かべると思います。特徴としてはカメラとジンバルが搭載され、画面付きのプロポで撮影の様子が見られるようになっているものが一般的です。様々なメーカーで非常に多くの機種が販売されており、10万円程でも本格的な空撮が楽しめるドローンも存在します。初めてドローンに触れる方は、この撮影用ドローンからドローンの世界に入っていく方が多いです。

代表的な機種:DJIMAVIC3など


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・情報収集用ドローン

センサーや測定機器を搭載した、データ収集に特化したドローンです。代表的な例でいうと、赤外線カメラを搭載して温度データを取得て検査をするドローンや、レーダーを搭載して地表面の点群データを取得して測量するドローン、マルチスペクトルカメラを搭載して作物の育成状況を調べるドローンなどが挙げられます。撮影用ドローンがさらに発展し、通常のカメラでは捉えきれない様々な情報を取得することが出来るようになったドローンと言えるでしょう。

代表的な機種:Matrice30シリーズ、SOTEN(蒼天)など




・運搬用ドローン

物を運ぶためのドローンです。一般的なドローンは出来るだけ小さく・軽く作られることが多いですが、物資を輸送する運搬用ドローンは大きな機体で総重量も大きくなる場合が多いです。ここ最近急速に発展している分野のひとつで、2022年の航空法改正によるレベル4飛行の解禁や、上空LTE技術の発展、物流2024年問題への解決など様々な進展が相まって将来が有望されているジャンルのひとつです。

なかでも林業の分野では、高低差のある場所で荷物運搬をする必要があったため、早くから実用化がなされていました。ここ最近では、物流のラストワンマイル(物流の最終拠点からエンドユーザーに届くまでの区間のこと)に変わる手段として注目を集めています。

なお、機種にもよりますが、運搬用ドローンには撮影用ドローンのような高性能なカメラはついておらず、搭載されていても確認用の簡易なカメラのみの場合が多いです。

代表的な機種:DJIFlyCart30、PF-2AEDelivery、SkyHub、森飛など


・散布用ドローン

主に液体や固形物を上空から散布する目的のドローンです。分かりやすく言い換えますと、農薬や肥料を田んぼや畑に撒くドローンのことを指します。本体の特徴としては、大型のタンクが搭載され、散布用のノズルや散布装置が付いている構造をしています。

日本国内ではこの分野の歴史は意外と長く、古くは1980年代から「産業用無人ヘリコプター」というかたちで導入が進んでいました。そんな歴史的背景もあり、農薬散布用ドローンは最も導入の進んでいる一分野であると言えるでしょう。最近では農薬散布だけでなく、肥料の散布や除雪用の融雪剤の散布など、様々に応用が広がっています。

代表的な機種:AC101connect、DJIAgrastシリーズ、飛助シリーズなど



・情報発信用ドローン

いままで紹介してきたドローンは、撮影をしたり情報を収集したりと、主に「何かを受け取る」ものでしたが、こちらはドローン自らが「何かを発信する」ドローンです。具体例を挙げますと、スピーカーを搭載して地上にいる人に音声情報を伝えるドローンなどが該当します。また、ライトを搭載したドローンを集団で飛行させて、文字やイラストなどを表現するドローンショーなども最近では話題です。

また、音や映像だけでなく、ドローンに無線中継システムを搭載して携帯電話のエリアを広げるような、無線電波を発信するドローンも登場しつつあります。

代表的な機種:ソフトバンク「有線給電ドローン無線中継システム」ドローンなど


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・監視・防災対応ドローン

こちらは、撮影用の可視光カメラや、赤外線カメラ、レーザー距離計などの複数のカメラ、センサーを搭載したドローンです。一般的な撮影用ドローンや情報収集用ドローンとの違いは、防塵防水機能はもちろん、低温や高温などの過酷な環境でも、問題なく飛行できる性能を有しております。

災害などの非常時では、現場がいかなる状況でもドローンを飛ばして情報収集をしなければならない場面に遭遇します。一般的なドローンと異なり、堅牢性や冗長性に長け、確実に任務をこなすことが出来るドローンが、監視・防災対応ドローンであると言えるでしょう。

代表的な機種:DJIMatrice350、SkydioX10など



・レクリエーション・レース用ドローン

操作性や機動性に優れ、純粋に飛ばすことに趣を置いたドローンです。ドローンレースやドローンを使った競技(ドローンサッカーなど)、趣味でトイドローンを飛ばすといった用途が挙げられます。トイドローン等は数千円で買えるものも多く、手軽に始めることが出来るのもポイントです。トイドローンはカメラが付いていない場合が多く、付いていても非常に簡易な物である場合が多いです。本格的なカメラやジンバルが付くと、撮影用ドローンと呼ばれるようになります。

代表的な機種:自作FPVドローン、DJIFPVなど


・教育用ドローン

学習や実験に使えるように特化したドローンです。具体的な例を挙げますと、プログラミング言語を学ぶために飛行プログラムを書き込めるようなドローンなどです。STEM教育の広がりを受けて、スクラッチのようなブロック言語で子供でも簡単にプログラミングできるようなドローンも存在します。

代表的な機種:TelloEDUなど




・室内用ドローン

室内飛行に特化した、小型で軽量のドローンです。一般的なドローンは屋外で飛ばすことを想定しているため、そのようなドローンを室内で飛ばすと様々な問題が発生します。GPSが受信できないため安定しなかったり、屋外では有効な障害物センサーも室内では過度に働いてしまい上手く作動しなかったり、ドローン自身の巻き上がりの風で安定しなかったり。そして何より危険です。

室内用ドローンは100g未満から、大きくても200g程度の、非常に小型で軽量なドローンが挙げられます。万が一人にぶつかってもケガをしないように、プロペラがガードで囲まれている場合もあります。具体的な例では、超小型のFPVドローンを使って室内を撮影するような事例で使われます。

また、狭量点検ドローンのように、狭くて入り組んだ場所の飛行に特化したドローン等も存在します。

代表的な機種:Skydio2+、アンダー99(100g未満)の自作ドローン、DJIMini2SEなど



以上、9つの種類をご紹介いたしました。この種類分けはあくまでドローンナビステーション編集部で行ったもので、これ以外にも様々な区分があるでしょう。
一つの目安として読んでいただけますと幸いです。

ドローンが非常に注目を集め、
「ドローン1台あれば何でもできる夢のような道具」
と錯覚するような紹介のされ方も、まま見受けられます。もちろんドローンは有用な道具ですが、その種類によって大きな違いがあり、選択を間違えると
「やりたいことが出来なかった」
ということになりかねません。

ドローンの種類をしっかりと把握し、ドローンを使って何が出来るのかをはっきりさせることが出来れば、きっとドローンを有効活用できることでしょう。

今回はドローンの種類についてのご紹介でした。また次の記事でお会いしましょう。