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ドローンは用途と目的で選ぶ。ドローンの正しい選び方│ドローン機種紹介

2024.01.10
ドローンは用途と目的で選ぶ。ドローンの正しい選び方│ドローン機種紹介

こんにちは。ドローンナビステーション編集部です。今回はドローンの種類についてご紹介したいと思います。

みなさんは、ドローンと一言で言っても、様々な種類があることはご存じでしょうか。みなさんがよく知るカメラが搭載された空撮が出来るものから、緊急物資の配達、さらには防災や点検に至るまで、ドローンは私たちの生活のあらゆる場面で活躍しています。

我々ドローンナビステーション編集部にも
「ドローンを使ってみたい」
「空撮で動画を撮りたい」
「撮影用ドローンと産業用ドローンの違いは?」
といったご相談が多く寄せられています。
ここで重要なのは、「ドローンを使って何がしたいのか」によってご案内する機種は大きく異なる、ということです。

今回はそんなドローンの種類と、それぞれのドローンを使ってどのようなことが出来るのかのご紹介をしてまいります。

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ドローンの利活用が進む様々な用途

ドローンにはさまざまな用途があり、幅広い分野で活躍しています。まず、ドローンは映画やテレビ、広告などの映像制作で重要な役割を果たしています。高品質なカメラを搭載したドローンを使用することで、上空からの美しい風景やダイナミックな映像を撮影できるため、空撮の需要が高まっています。また、自動追尾機能を利用して、アクションシーンやスポーツの撮影にも活用されています。

さらに、ドローンはインフラ点検においても非常に有効です。橋梁や送電線、風力発電所、建築物などの点検作業をドローンで行うことで、人が直接アクセスしにくい場所や危険な場所での作業を安全に行うことができます。これにより、効率的かつ迅速に点検が行え、詳細なデータを取得することが可能です。

農業分野でもドローンの活躍が広がっています。農地をドローンで空撮することで、作物の成長状況をリアルタイムで把握し、病害の早期発見や収穫時期の判断が容易になります。また、農薬や肥料の散布をドローンで行うことで、作業の効率が大幅に向上し、農業経営がより効果的になります。

捜索救助活動においても、ドローンは重要なツールです。険しい地形や視界が悪い環境でも、ドローンを使用することで迅速に広範囲をカバーし、行方不明者の捜索をサポートします。特に、赤外線カメラを搭載したドローンは、夜間や煙が充満した状況でも効果的に活用されます。

また、物流業界では、ドローンを使った配送が注目されています。特にアクセスが困難な地域や緊急時の物資輸送において、ドローンは非常に効果的です。さらに、倉庫内での在庫管理や棚卸し作業にもドローンが利用され、業務の効率化が図られています。

公共安全やセキュリティの分野でも、ドローンは警察や消防などの機関で活躍しています。ドローンを使えば、危険な状況を遠隔で観察し、迅速かつ安全に対応することが可能です。また、群衆管理や犯罪捜査でも、ドローンの空中監視能力が大いに役立っています。

さらに、建設業や測量業務でもドローンは広く利用されています。工事現場の進捗状況を記録したり、地形の3Dモデルを作成したりする際に、ドローンを使うことで作業が効率化され、コスト削減にもつながります。複雑な地形でも迅速かつ正確にデータを取得できるため、測量の質も向上します。

最後に、環境保護や研究の分野でもドローンが活用されています。森林や海洋生態系のモニタリング、野生動物の追跡調査、環境災害の影響評価など、広範囲にわたる観察やデータ収集が必要な研究において、ドローンは非常に効果的なツールです。また、気候変動の影響を調査するためのデータ収集にも、ドローンは欠かせない存在となっています。

このように、ドローンは映像制作、インフラ点検、農業、捜索救助、物流、公共安全、建設、環境保護といったさまざまな分野で活用されており、その用途は技術の進化とともにますます拡大しています。


撮影に適したドローンの機種

主に空撮に用いられるドローンです。
多くの方に一番馴染みのあるドローンで、ドローンというとまずこちらを思い浮かべると思います。特徴としてはカメラとジンバルが搭載され、画面付きのプロポで撮影の様子が見られるようになっているものが一般的です。様々なメーカーで非常に多くの機種が販売されており、10万円程でも本格的な空撮が楽しめるドローンも存在します。初めてドローンに触れる方は、この撮影用ドローンからドローンの世界に入っていく方が多いです。

撮影に適したドローンの機種は、用途や予算、求める画質などによって異なりますが、以下にいくつかのおすすめのドローンを紹介します。それぞれのドローンは、プロフェッショナルな映像制作からアマチュア撮影まで、幅広いニーズに応える機能を備えています。

1. DJI Mavic 3

DJI Mavic 3は、プロフェッショナルな映像制作に最適なドローンで、4/3型のカメラセンサーを搭載しており、卓越した画質と色再現性を提供します。5.1Kの動画撮影が可能で、ハイダイナミックレンジ(HDR)や高い低照度性能を兼ね備えているため、あらゆる撮影条件に対応できます。また、長時間の飛行と高い障害物回避能力も特徴です。

2. DJI Air 2S

DJI Air 2Sは、コンパクトでありながら高性能なカメラを搭載しているモデルです。1インチのセンサーを持ち、5.4Kの動画撮影が可能で、色彩豊かで鮮明な映像を提供します。自動撮影モードや障害物回避機能も充実しており、初心者からプロまで幅広く使用できます。

3. Autel Robotics EVO Lite+

Autel EVO Lite+は、1インチのCMOSセンサーを搭載し、6Kの動画撮影が可能なドローンです。優れた画質と長時間の飛行が可能で、特に低光量条件でも高品質な映像を提供します。また、インテリジェントな撮影機能が豊富で、クリエイティブな映像制作に役立ちます。

4. Skydio 2

Skydio 2は、自律飛行技術に特化したドローンで、特にアクション撮影や動きの多いシーンでその力を発揮します。高性能なカメラを搭載し、4Kの動画撮影が可能です。自動で障害物を回避しながら対象を追尾する能力が優れており、複雑な撮影シーンでも安全に使用できます。

5. DJI Mini 3 Pro

DJI Mini 3 Proは、軽量で持ち運びが容易ながら、高性能なカメラを搭載しているモデルです。1/1.3インチのセンサーを持ち、4Kの動画撮影が可能です。コンパクトでありながら、優れた画質と長時間の飛行を実現し、旅行や日常の撮影に適しています。

6. Parrot Anafi

Parrot Anafiは、4K HDRカメラを搭載したドローンで、広角レンズを使用してダイナミックな映像を撮影できます。軽量で持ち運びやすく、折りたたみ可能なデザインが特徴です。特にポートレートや風景撮影に適しています。

撮影に適したドローンは、画質、飛行性能、機能性のバランスが重要です。DJI Mavic 3やDJI Air 2Sはプロフェッショナルな用途に向いており、Autel EVO Lite+やSkydio 2も高画質の映像を提供し、特定の機能に優れています。DJI Mini 3 ProやParrot Anafiは、軽量で持ち運びやすく、日常的な撮影に便利です。




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情報収集に適したドローンの機種

センサーや測定機器を搭載した、データ収集に特化したドローンは情報収集に適しているといえます。
代表的な例でいうと、赤外線カメラを搭載して温度データを取得て検査をするドローンや、レーダーを搭載して地表面の点群データを取得して測量するドローン、マルチスペクトルカメラを搭載して作物の育成状況を調べるドローンなどが挙げられます。

撮影用ドローンがさらに発展し、通常のカメラでは捉えきれない様々な情報を取得することが出来るようになったドローンと言えるでしょう。

情報収集に適したドローンは、特にセンサーやカメラ機能が優れており、効率的にデータを取得できるモデルが求められます。以下に、情報収集に適したドローンのいくつかを紹介します。これらのドローンは、インフラ点検、環境モニタリング、測量、リモートセンシングなどの用途に適しています。

1. DJI Matrice 300 RTK

DJI Matrice 300 RTKは、業務用の高性能ドローンで、特にインフラ点検や測量に適しています。RTK(リアルタイムキネマティック)技術を搭載しており、高精度な位置情報データを提供します。
また、最大3つのペイロードを搭載できるため、さまざまなセンサーやカメラを同時に使用することができ、効率的なデータ収集が可能です。耐久性や飛行時間も優れており、過酷な環境でも安定した運用ができます。

2. DJI Matrice 30

DJI Matrice 30は、ポータブルでありながら高性能なドローンで、業務用途に対応しています。4Kのカメラと12倍ズームレンズを搭載し、広範囲のデータ収集が可能です。
RTK対応で、高精度な位置情報の取得ができ、インフラ点検やセキュリティ監視、緊急対応などに適しています。また、コンパクトなデザインで持ち運びが容易です。

3. Parrot Anafi USA

Parrot Anafi USAは、法執行機関やインフラ点検業務向けに設計されたドローンで、4K HDRカメラと30倍ズームレンズを搭載しています。
高解像度の映像と詳細なデータ収集が可能で、赤外線カメラも搭載しているため、夜間や低光量環境でも使用できます。耐久性も高く、さまざまな環境での情報収集に適しています。

4. senseFly eBee X

senseFly eBee Xは、固定翼型のドローンで、広範囲の測量やマッピングに適しています。
長時間の飛行と広い飛行範囲が特徴で、高精度のカメラやセンサーを搭載することで、地形の詳細なデータを収集できます。特に大規模なプロジェクトや長時間の作業に向いています。

5. DJI Phantom 4 RTK

DJI Phantom 4 RTKは、RTK技術を搭載した小型ドローンで、精密な測量やマッピング作業に適しています。1インチのセンサーを搭載し、高解像度の4K映像を撮影できるため、詳細なデータ収集が可能です。コンパクトで操作が簡単なため、現場での情報収集に便利です。

6. Autel Robotics EVO Lite+

Autel EVO Lite+は、1インチのセンサーを搭載し、6Kの高解像度映像を提供します。広範囲のデータ収集や環境モニタリングに適しており、飛行時間も長いため、長時間の作業が可能です。
自動飛行モードや障害物回避機能も充実しており、情報収集の効率を高めます。



情報収集に適したドローンは、カメラやセンサーの性能、飛行時間、精度が重要な要素です。DJI Matrice 300 RTKやDJI Matrice 30は、業務用の高精度な情報収集に適しています。
Parrot Anafi USAは、詳細な映像データが求められる場面で有用です。senseFly eBee Xは広範囲の測量に適しており、DJI Phantom 4 RTKやAutel EVO Lite+は、精密なデータ収集と長時間の運用が可能です。それぞれの用途に応じたドローンを選ぶことで、より効率的に情報を収集することができます。




運搬・運送に適したドローンの機種

運搬用・運送用ドローンは物を運ぶためのドローンです。
一般的なドローンは出来るだけ小さく・軽く作られることが多いですが、物資を輸送する運搬用ドローンは大きな機体で総重量も大きくなる場合が多いです。ここ最近急速に発展している分野のひとつで、2022年の航空法改正によるレベル4飛行の解禁や、上空LTE技術の発展、物流2024年問題への解決など様々な進展が相まって将来が有望されているジャンルのひとつです。

なかでも林業の分野では、高低差のある場所で荷物運搬をする必要があったため、早くから実用化がなされていました。ここ最近では、物流のラストワンマイル(物流の最終拠点からエンドユーザーに届くまでの区間のこと)に変わる手段として注目を集めています。

なお、機種にもよりますが、運搬用ドローンには撮影用ドローンのような高性能なカメラはついておらず、搭載されていても確認用の簡易なカメラのみの場合が多いです。
日本の企業が購入またはレンタルできる運送用のドローンには、国内および海外のさまざまな機種があります。以下は、日本で利用可能な運送用ドローンのいくつかの例です。

1. DJI Matrice 300 RTK

DJI Matrice 300 RTKは、荷物運搬に対応する高性能ドローンで、日本でも購入が可能です。特に大きな荷物や長距離の運搬に適しており、RTK技術を搭載しているため高精度な位置情報を提供します。機器の取り扱いやメンテナンスが充実しているため、商業用にも適しています。

2. DJI Matrice 600

DJI Matrice 600も日本で購入できる運送用ドローンで、大型の荷物を運ぶことができます。プロフェッショナルな用途に適しており、積載能力や飛行時間に優れています。荷物を安全に運ぶための強力な機能を備えており、物流や運搬業務に向いています。

3. Wingcopter 198

Wingcopter 198は、医薬品や荷物の配送に特化したドローンで、日本での販売・レンタルが可能です。長距離飛行と高い積載能力が特徴で、急速な離着陸が可能です。日本国内の医療機関や物流業者が利用するケースがあります。

4. MATTERNET M2

Matternet M2は、都市部での配送に適したドローンで、日本の一部企業が利用しています。2.5kgの荷物を運べる能力を持ち、自動飛行機能と障害物回避機能が充実しています。特に配送業界や医療分野でのニーズに応えます。

5. Parrot Anafi USA

Parrot Anafi USAは、運送や配送に利用可能なドローンで、日本での購入が可能です。高解像度のカメラと耐久性があり、商業用の運搬ニーズに対応しています。特に高精度のデータ収集と運搬に適しています。

6. 日本国内のレンタル業者

日本国内では、以下のようなドローンレンタル業者が運送用ドローンを取り扱っています。

  • ドローンジャパン:運送用ドローンのレンタルや販売を行っており、さまざまな機種の取り扱いがあります。
  • DJI Japan:DJI製品の購入やレンタルが可能で、運送用のドローンも取り扱っています。
  • Drone Base:ドローンのレンタルサービスを提供しており、運送用途に対応した機種も取り扱っています。



これらのドローンは、日本国内の物流や配送業務での活用に適しており、用途に応じた機種を選ぶことで、効率的な運搬が可能になります。また、レンタル業者を利用することで、短期間の試用やコスト削減も実現できます。




農薬散布に適したドローンの機種

主に液体や固形物を上空から散布する目的のドローンです。分かりやすく言い換えますと、農薬や肥料を田んぼや畑に撒くドローンのことを指します。本体の特徴としては、大型のタンクが搭載され、散布用のノズルや散布装置が付いている構造をしています。

日本国内ではこの分野の歴史は意外と長く、古くは1980年代から「産業用無人ヘリコプター」というかたちで導入が進んでいました。そんな歴史的背景もあり、農薬散布用ドローンは最も導入の進んでいる一分野であると言えるでしょう。最近では農薬散布だけでなく、肥料の散布や除雪用の融雪剤の散布など、様々に応用が広がっています。

散布に適したドローンは、農薬や肥料の散布作業を効率的に行うために設計されています。これらのドローンは、大容量のタンクや精密な散布機能を備えており、広範囲のエリアを短時間で処理することができます。以下は、散布に適したドローンの代表的な機種です。

1. DJI Agras T40

DJI Agras T40は、農業用ドローンとして高い評価を受けており、大容量の散布タンクを搭載しています。最大40リットルのタンクを搭載でき、農薬や肥料の散布に最適です。また、GPSとセンサーを使用して、均一かつ正確な散布を実現します。長時間の飛行と高い耐久性も特徴です。

2. DJI Agras T30

DJI Agras T30は、T40の前モデルで、最大30リットルの散布タンクを搭載しています。農薬や肥料の散布作業を効率的に行うための設計がされており、広範囲の農地を短時間でカバーできます。高精度な散布機能と耐久性が特徴です。

3. Yunyi YW-25

Yunyi YW-25は、農業分野での使用に特化した散布用ドローンで、最大25リットルのタンクを搭載しています。自動飛行機能やGPS制御により、均一な散布が可能で、特に中規模の農地での使用に適しています。

4. XAG P40

XAG P40は、農業用の散布ドローンで、最大40リットルのタンクを搭載しており、大規模な農地での散布作業に対応しています。高精度な散布機能と耐久性があり、効率的な農作業を実現します。自動飛行とパターン散布機能も搭載されています。

5. Parrot Bluegrass

Parrot Bluegrassは、農業用ドローンで、農薬や肥料の散布機能が備わっています。高解像度のカメラやセンサーを搭載しており、散布の精度を高めるとともに、作物の健康状態のモニタリングも可能です。中小規模の農地に適しています。

6. AgEagle RX-60

AgEagle RX-60は、精密農業に特化した散布ドローンで、最大6リットルの散布タンクを搭載しています。小規模な農地や特殊な用途に対応しており、高精度な散布と長時間の飛行が可能です。


散布用ドローンは、農薬や肥料の散布作業を効率化するための重要なツールです。DJI Agras T40やDJI Agras T30は、大容量のタンクを搭載しており、大規模な農地での散布作業に適しています。Yunyi YW-25やXAG P40も、高精度な散布が可能で、特に農業用途に特化しています。Parrot BluegrassやAgEagle RX-60は、中小規模の農地や特定の用途に向けたモデルです。


また日本の「AC101」は農業用ドローンの中でトップクラスの性能を誇ります。
AC101は、農薬散布用のドローンとして設計されたモデルです。以下に、AC101の主な特徴と用途を説明します。

AC101の特徴

  1. 積載能力
    AC101は、農薬や肥料の散布に対応するためのタンクを搭載しており、比較的大容量の農薬を積載できるようになっています。タンクの容量や散布能力は、農地の広さや散布する農薬の種類に応じて適切に設計されています。
  2. 高精度な散布機能
    精密な散布機能が備わっており、均一に農薬を散布することができます。散布の精度を高めるために、センサーや自動調整機能が搭載されています。
  3. 耐久性と安定性
    AC101は、耐久性が高く、過酷な環境でも安定した飛行ができるように設計されています。悪天候や難しい地形でも信頼性のあるパフォーマンスを発揮します。
  4. 自動飛行機能
    自動飛行やパターン飛行機能を備えており、広範囲の農地で効率的な散布が可能です。GPSやセンサーを使用して、飛行パターンを正確に制御します。
  5. 長時間飛行
    バッテリーの持続時間が長く、一度の充電で広範囲のエリアをカバーすることができます。これにより、頻繁なバッテリー交換の手間が省けます。

用途

  • 農薬散布: 農地での農薬や肥料の均一な散布が可能で、大規模な農地でも効率的に作業を行うことができます。
  • 肥料散布: 土壌の栄養補給のために肥料を散布する際にも利用できます。
  • 作物の保護: 作物の健康を維持するために、適切なタイミングで農薬を散布することで、病害虫から保護します。


AC101は、農薬散布用に設計されたドローンで、積載能力や精密な散布機能、高い耐久性を特徴としています。農業用の広範囲な散布作業に適しており、効率的な農作業をサポートします。特に大規模な農地や複雑な地形での散布作業に有用です。





情報発信に適したドローンの機種

いままで紹介してきたドローンは、撮影をしたり情報を収集したりと、主に「何かを受け取る」ものでしたが、こちらはドローン自らが「何かを発信する」ドローンです。
具体例を挙げると、スピーカーを搭載して地上にいる人に音声情報を伝えるドローンなどが該当します。また、ライトを搭載したドローンを集団で飛行させて、文字やイラストなどを表現するドローンショーなども最近では話題です。

また、音や映像だけでなく、ドローンに無線中継システムを搭載して携帯電話のエリアを広げるような、無線電波を発信するドローンも登場しつつあります。

情報発信用ドローンは、映像やデータを収集し、リアルタイムで送信することができるドローンです。これらのドローンは、映像制作やイベントのライブ中継、インフラ点検、災害対応など、さまざまな用途で使用されます。以下は、情報発信用ドローンの代表的な機種です。

1. DJI Mavic 3

DJI Mavic 3は、高品質な映像撮影が可能なドローンで、4Kカメラと高解像度のセンサーを搭載しています。長時間の飛行が可能で、リアルタイムでの映像伝送機能が優れており、イベントのライブ中継や映像制作に適しています。また、障害物回避機能や自動飛行モードも搭載されています。

2. DJI Inspire 3

DJI Inspire 3は、プロフェッショナル向けの映像撮影ドローンで、4Kまたは6Kの高解像度カメラを搭載しています。特に映画制作や高品質な映像収集が求められる場面で活躍します。リアルタイムでの映像送信や高度な飛行制御機能があり、精密な撮影が可能です。

3. Autel Robotics EVO Lite+

Autel Robotics EVO Lite+は、高解像度のカメラと長時間の飛行が特徴のドローンで、4K HDR映像の撮影が可能です。リアルタイムでのデータ送信と映像伝送機能が優れており、映像制作や情報発信に適しています。安定した飛行性能と使いやすさも特徴です。

4. Parrot Anafi

Parrot Anafiは、コンパクトで軽量な情報発信用ドローンで、4K HDRカメラを搭載しています。高解像度の映像撮影が可能で、リアルタイムでの映像伝送機能も備えています。特に屋外での使用に適しており、環境モニタリングやイベントの撮影に適しています。

5. Skydio 2

Skydio 2は、障害物回避技術に優れたドローンで、4Kカメラを搭載しています。高度な自動飛行機能を備えており、複雑な環境での映像撮影やデータ収集に適しています。特に自動飛行が必要な場合や、安全な撮影が求められるシチュエーションで活躍します。

6. DJI Air 2S

DJI Air 2Sは、優れたカメラ性能とコンパクトな設計が特徴のドローンで、1インチのセンサーを搭載し、5.4Kの高解像度映像が撮影できます。リアルタイムでの映像伝送が可能で、情報発信や映像制作に適しています。比較的手軽に扱えるため、初心者にもおすすめです。

情報発信用ドローンは、映像やデータのリアルタイム送信が可能で、イベントのライブ中継や映像制作、インフラ点検などに活用されます。DJI Mavic 3やDJI Inspire 3はプロフェッショナルな映像制作に適しており、Autel Robotics EVO Lite+やParrot Anafiは高解像度の映像撮影に対応しています。Skydio 2やDJI Air 2Sは、高度な自動飛行機能と安全性が特徴で、さまざまなシーンで活躍します。




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監視・防災に適したドローンの機種

こちらは、撮影用の可視光カメラや、赤外線カメラ、レーザー距離計などの複数のカメラ、センサーを搭載したドローンです。一般的な撮影用ドローンや情報収集用ドローンとの違いは、防塵防水機能はもちろん、低温や高温などの過酷な環境でも、問題なく飛行できる性能を有しております。

災害などの非常時では、現場がいかなる状況でもドローンを飛ばして情報収集をしなければならない場面に遭遇します。一般的なドローンと異なり、堅牢性や冗長性に長け、確実に任務をこなすことが出来るドローンが、監視・防災対応ドローンであると言えるでしょう。

監視や防災用のドローンは、高性能なカメラ、長時間の飛行、広範囲のカバー能力、耐久性、そして悪天候にも対応できる機能を備えていることが重要です。以下は、監視や防災用途に特に適したドローンのいくつかです。

1. DJI Matrice 300 RTK

DJI Matrice 300 RTKは、プロフェッショナル向けの高性能ドローンで、監視や防災活動に最適です。最大55分の飛行時間と、複数のカメラやセンサーの搭載が可能です。RTK(Real-Time Kinematic)技術により、非常に高い位置情報の精度を提供し、広範囲のエリアでの精密な監視が可能です。また、IP45等級の防塵・防水性能もあり、過酷な環境にも対応します。

2. DJI Matrice 30

DJI Matrice 30は、堅牢で高性能なドローンで、防災や監視任務に適しています。最大31分の飛行時間と、4Kカメラおよび熱画像カメラを搭載できるオプションがあります。非常に高い耐久性と多用途なセンサーにより、昼夜を問わず安定した監視が可能です。

3. Parrot Anafi USA

Parrot Anafi USAは、4K HDRカメラと30倍ズーム機能を搭載したドローンで、防災活動や監視に適しています。高精度の熱画像カメラも搭載可能で、昼夜を問わず広範囲の監視が行えます。また、堅牢な設計で悪天候にも対応でき、飛行時間も最大32分と長めです。

4. Autel Robotics EVO Lite+

Autel Robotics EVO Lite+は、4Kカメラを搭載した高性能ドローンで、監視や防災活動に適しています。最大40分の飛行時間と、優れたカメラ性能により、広範囲のエリアを詳細に確認することができます。高度な飛行安定性とユーザーフレンドリーな操作性も特徴です。

5. DJI Air 2S

DJI Air 2Sは、1インチのセンサーを搭載し、5.4Kの高解像度映像が撮影可能なドローンです。最大31分の飛行時間と、障害物回避機能を備えており、防災活動や監視に適しています。比較的コンパクトで取り扱いやすい一方、高性能なカメラを持っているため、精度の高い映像データを提供します。

6. SenseFly eBee X

SenseFly eBee Xは、固定翼ドローンで広範囲のエリアを効率的にカバーするのに適しています。最大90分の飛行時間と、高解像度カメラやマルチスペクトルセンサーの搭載が可能で、防災や監視活動に非常に有用です。広範囲な地域のデータ収集に適しており、長距離の飛行が得意です。

7. Skydio X2

Skydio X2は、障害物回避技術に優れたドローンで、監視や防災任務に適しています。高度な自動飛行機能とリアルタイムの映像伝送により、安全かつ効果的にデータを収集できます。特に複雑な環境での飛行が得意で、強力な障害物回避システムが搭載されています。

監視や防災用途に適したドローンは、高性能なカメラ、長時間の飛行、広範囲のカバー能力、耐久性が求められます。DJI Matrice 300 RTKDJI Matrice 30は、プロフェッショナルな防災活動や広範囲の監視に最適です。Parrot Anafi USAは、高精度の熱画像カメラを搭載し、昼夜を問わず監視が可能です。Autel Robotics EVO Lite+DJI Air 2Sは、高解像度の映像と長時間の飛行が特徴で、多用途に対応します。SenseFly eBee Xは、広範囲のエリアを効率的にカバーできる固定翼ドローンで、長距離の飛行が得意です。Skydio X2は、高度な障害物回避技術を備え、安全な飛行が可能です。それぞれの用途に応じて適切なドローンを選ぶことで、効果的な監視と防災対応が実現できます。





エンタメやドローンレースに適したドローンの機種

操作性や機動性に優れ、純粋に飛ばすことに趣を置いたドローンです。ドローンレースやドローンを使った競技(ドローンサッカーなど)、趣味でトイドローンを飛ばすといった用途が挙げられます。トイドローン等は数千円で買えるものも多く、手軽に始めることが出来るのもポイントです。トイドローンはカメラが付いていない場合が多く、付いていても非常に簡易な物である場合が多いです。本格的なカメラやジンバルが付くと、撮影用ドローンと呼ばれるようになります。

レース用ドローンは、高速飛行と高い操縦性を備え、スリリングなレース環境でのパフォーマンスを最大化するために設計されています。以下は、レースに適したドローンの代表的な機種です。

1. DJI FPV

DJI FPVは、レース用としても適しているFPV(First-Person View)ドローンです。高速度での飛行が可能で、4Kカメラを搭載しており、リアルタイムでの映像伝送も優れています。初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに対応しており、飛行の安全性や操縦性が高い点が特徴です。

2. BetaFPV Beta95X

BetaFPV Beta95Xは、小型で高性能なレースドローンです。2.5インチのプロペラと軽量設計により、高速での操縦が可能です。4Kカメラを搭載したモデルもあり、FPVレースやアクロバット飛行に適しています。扱いやすく、高速飛行にも耐えられる耐久性を備えています。

3. iFlight Nazgul5

iFlight Nazgul5は、5インチのレースドローンで、パワフルなモーターと高性能なフライトコントローラーを搭載しています。レーストラックや障害物を高速で通過するための優れた操縦性を提供します。安定した飛行性能と耐久性があり、プロのレースイベントにも対応しています。

4. Horizon Hobby EMAX Tinyhawk II

EMAX Tinyhawk IIは、コンパクトで軽量なFPVレースドローンです。小型ながらも高い性能を持ち、屋内や狭い場所でのレースに適しています。耐久性のある設計と、高速での操縦が可能なため、レース初心者にも最適です。

5. TBS Vendetta

TBS Vendettaは、レース向けに設計されたドローンで、高い速度と精密な操縦性能が特徴です。フレームが強固で耐久性が高く、アクロバット飛行や高速レースに対応しています。FPVシステムが組み込まれており、リアルタイムでの映像が楽しめます。

6. Holybro Kopis 2

Holybro Kopis 2は、5インチのレースドローンで、パワフルなエンジンと高い操縦性が特徴です。耐久性があり、速い速度での安定した飛行が可能です。競技レースやFPVイベントに最適で、高精度のフライトコントロールと強力なパフォーマンスを提供します。


レース用ドローンは、高速飛行と高い操縦性を求められます。DJI FPVは初心者からプロまで対応する高性能なドローンです。BetaFPV Beta95XiFlight Nazgul5は、パワフルな性能と耐久性を兼ね備えたレースドローンです。EMAX Tinyhawk IIはコンパクトで扱いやすく、屋内レースに適しています。TBS VendettaHolybro Kopis 2は、高速でのレースやアクロバット飛行に最適なモデルです。

レースのニーズに応じて、適切なドローンを選ぶことで、最良のパフォーマンスを発揮することができます。




プログラミングなどの教育に適したドローンの機種

学習や実験に使えるように特化したドローンです。具体的な例を挙げますと、プログラミング言語を学ぶために飛行プログラムを書き込めるようなドローンなどです。STEM教育の広がりを受けて、スクラッチのようなブロック言語で子供でも簡単にプログラミングできるようなドローンも存在します。

教育用ドローンは、プログラミングやSTEM(科学、技術、工学、数学)の教育を促進するために設計されています。これらのドローンは、初心者にも扱いやすく、プログラミングやロボティクスの基本的な概念を学ぶのに役立ちます。以下は、教育用としておすすめのドローンです。

1. Tello EDU

Tello EDUは、教育用ドローンの中でも人気の高いモデルです。Tello EDUは、プログラミングを学ぶためのプラットフォームとして設計されており、簡単に操作できる小型ドローンです。ScratchやPythonなどのプログラミング言語で制御でき、プログラミングの基礎を学ぶのに最適です。さらに、複数のTello EDUを連携させて協調飛行を学ぶことも可能です。

2. Parrot Mambo

Parrot Mamboは、教育やプログラミング学習のための小型ドローンで、STEM教育に特化しています。専用のプログラミング環境であるBlocklyを使用して、簡単なコーディングでドローンを制御できます。追加のアクセサリーとしてカメラやグラバーを装着でき、ロボティクスやプログラミングの学習に幅広く対応しています。

3. DJI RoboMaster TT

DJI RoboMaster TTは、プログラミングとロボティクス教育に特化したドローンです。PythonやScratchなどでプログラムを組むことができ、プログラミングスキルを向上させるのに最適です。高精度な飛行と、教育用の課題やミッションを通じて学習を進めることができます。

4. CoDrone Mini

CoDrone Miniは、教育用に設計された小型ドローンで、プログラミングとロボティクスの基本を学ぶのに適しています。Bluetooth経由でスマートフォンやタブレットと連携し、ScratchやPythonなどでプログラムを作成できます。また、ビジュアルプログラミング環境を提供しており、初心者でも簡単に扱えます。

5. Airblock

Airblockは、モジュール式の教育用ドローンで、プログラムの学習と組み立てを通じてSTEM教育をサポートします。ドローンを組み立てることで、機械の基本的な構造やプログラミングの基礎を学ぶことができます。ビジュアルプログラミングツールで簡単にコーディングできるため、初心者にも最適です。

6. Sphero Mini

Sphero Miniは、球形の教育用ロボットドローンで、プログラミングとロボティクスの基本を学ぶためのツールです。スマートフォンで操作し、ビジュアルプログラミング環境でプログラムを作成できます。小型で扱いやすく、特に若い学習者に向いています。


教育用ドローンは、プログラミングやロボティクスの学習を楽しく効率的に行うためのツールです。Tello EDUParrot Mamboは、初心者向けのプログラミング学習に適しています。
DJI RoboMaster TTは、より高度なプログラミングとロボティクス教育を提供します。
CoDrone MiniAirblockは、ビジュアルプログラミングを通じて学習をサポートし、Sphero Miniは特に小さな学習者に適しています。それぞれのドローンは、教育の目的や対象年齢に応じて選ぶことができます。






室内で楽しく飛ばせるホビードローンの機種

室内飛行に特化した、小型で軽量のドローンです。一般的なドローンは屋外で飛ばすことを想定しているため、そのようなドローンを室内で飛ばすと様々な問題が発生します。GPSが受信できないため安定しなかったり、屋外では有効な障害物センサーも室内では過度に働いてしまい上手く作動しなかったり、ドローン自身の巻き上がりの風で安定しなかったり。そして何より危険です。

室内用ドローンは100g未満から、大きくても200g程度の、非常に小型で軽量なドローンが挙げられます。万が一人にぶつかってもケガをしないように、プロペラがガードで囲まれている場合もあります。具体的な例では、超小型のFPVドローンを使って室内を撮影するような事例で使われます。
また、狭量点検ドローンのように、狭くて入り組んだ場所の飛行に特化したドローン等も存在します。

室内で飛ばすのに適したドローンは、サイズが小さく、安定性が高く、障害物に対する回避機能が充実していることが重要です。以下は、室内飛行に特に適したドローンのいくつかです。

1. DJI Tello

DJI Telloは、非常にコンパクトで軽量なドローンで、室内飛行に最適です。簡単に操作でき、安定した飛行性能を持ち、エントリーレベルのユーザーや子供たちにも適しています。プログラミング機能やFPV(First-Person View)機能も搭載しており、教育や趣味の用途にも対応しています。

2. Parrot Mambo

Parrot Mamboは、室内での飛行に特化したドローンで、コンパクトで操作が簡単です。加えて、追加のアクセサリー(カメラやグラバーなど)を取り付けることができ、さまざまな遊び方が可能です。ビジュアルプログラミングツールでコーディングができ、教育用途にも適しています。

3. Ryze Tech Tello EDU

Ryze Tech Tello EDUは、DJI Telloの教育向けモデルで、室内飛行に最適です。プログラミングやSTEM教育に適しており、ScratchやPythonで制御が可能です。軽量で安定した飛行が可能で、室内での操作に最適です。

4. Hubsan X4 H107D

Hubsan X4 H107Dは、非常にコンパクトで高性能な室内ドローンです。FPV機能を搭載し、リアルタイムでの映像を楽しむことができます。安定性が高く、室内での操縦がしやすい設計です。

5. Holy Stone HS210

Holy Stone HS210は、小型で扱いやすい室内ドローンです。簡単に操作でき、初心者や子供向けに設計されています。安定した飛行性能と耐久性があり、室内での楽しみに最適です。

6. JJRC H36

JJRC H36は、非常に小型で安定した室内ドローンです。初心者にも扱いやすく、耐久性が高い設計です。安価でありながら、基本的な飛行性能がしっかりしているため、室内での練習や遊びに適しています。

7. SKEYE Nano 2

SKEYE Nano 2は、非常に小型で室内飛行に適したドローンです。コンパクトなサイズと軽量設計で、狭い室内でも飛行しやすいです。初心者向けの簡単な操作と、安定した飛行性能が特徴です。


室内での飛行に適したドローンは、コンパクトで操作が簡単、安定した飛行性能を持つものが理想です。DJI TelloParrot Mamboは、初心者から教育目的まで幅広く対応でき、Ryze Tech Tello EDUはプログラミング教育に最適です。
Hubsan X4 H107DHoly Stone HS210は、安定した飛行と扱いやすさが特徴で、室内での楽しみに適しています。JJRC H36SKEYE Nano 2は、コストパフォーマンスが良く、基本的な室内飛行に最適です。





この種類分けはあくまでドローンナビステーション編集部で行ったもので、これ以外にも様々な区分があるでしょう。
一つの目安として読んでいただけますと幸いです。

ドローンが非常に注目を集め、
「ドローン1台あれば何でもできる夢のような道具」
と錯覚するような紹介のされ方も、まま見受けられます。もちろんドローンは有用な道具ですが、その種類によって大きな違いがあり、選択を間違えると
「やりたいことが出来なかった」
ということになりかねません。

ドローンの種類をしっかりと把握し、ドローンを使って何が出来るのかをはっきりさせることが出来れば、きっとドローンを有効活用できることでしょう。

今回はドローンの種類についてのご紹介でした。