2025年開催大阪万博で空飛ぶクルマが登場!│ドローン×大阪万博
大阪万博は会場を新たな技術やシステムを実証する「未来社会の実験場」と位置づけて、多様な企業やプレーヤーによる技術革新を誘…
農薬散布用ドローンとは文字通り、農薬を散布するために使われるドローンのことです。一般的な撮影用ドローンとは異なり、液体を搭載できる大型タンクや、それをミスト状に散布するノズルなどが組み合わされた、比較的大型のドローンです。
圃場に農薬を散布する方法はいくつかあります。従来からある方法としては、地上から「動噴(動力噴霧器)」という装置を使い、人が圃場に入って散布するという方法があります。しかしこの方法は労力が非常にかかったり、また作物によっては人が媒介となり作物に病気をうつしてしまう可能性があるので、そもそも圃場に立ち入ることが推奨されていない場合もあったりします(靴底や自転車、自動車のタイヤについた菌などで、作物が病気になるケースがあります)
農薬散布用ドローンを使うと、人が圃場に入らなくても、効率よく農薬を撒くことが出来ます。しかし、従来の地上から農薬を撒く方法と大きく異なる点が1つあります。
それは、『農薬の濃さ』です。正確には希釈倍率が、地上散布とドローン散布では大きく異なります。農薬の種類により希釈倍率は異なりますが、おおよそ一般的な例で紹介します。
地上から農薬を散布する場合、あくまで一例ですが、希釈倍率は1000倍~4000倍で指定されるケースが多いです。農薬が1に対して水を1000用意しなければならない計算で、いかに多くの水を使うのかが想像できるかと思います。一方、ドローンを使った農薬散布の場合、希釈倍率が8~32倍ほどで指定されるケースが多いです。地上散布する場合に比べて、100分の1の量の水で足りる計算です。
従来は薄めて使う農薬を、ドローン散布の場合は非常に濃い状態で散布するため、ドローンでの農薬散布は様々な決まり事を守る必要があります。まず、ドローンで散布が認められた農薬のみ使用できること、そして希釈倍率を正確に守ることも重要になります。
上の表は、ある農薬の希釈倍率や散布量、散布方法などが書かれたラベルの一例です。無人航空機による散布とあるのが、ドローンを利用した散布で、散布とあるのは地上散布になります。見てみると、希釈倍率と、10aあたりに撒く量が、大きく違っているのが分かるかと思います。それと同時に、無人航空機による散布の場合は、散布量も厳密に決まっているのが見て取れます。
ドローンで使用可能な農薬(農林水産省ホームページより)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/nouyaku.html
わたしたちも現場で農薬散布業務を行っているので、外出先での農薬の希釈作業は毎回行います。目の前の圃場に対して、どれくらいの農薬と水を使い、何リットル散布すればよいのかという計算は、慣れていても大変な作業です。例えばわたしたちでは、現場レベルで簡単な農薬散布の計算ソフトを作成し、計算に使っています。このようなツールを使えば、現場で手計算する数分の時間を短縮することが出来ます。
実際に農薬を圃場で撒く場合、どれくらいの水と農薬が必要なのかをイメージしていただくために、試しに手巻きの場合とドローンでの散布の場合で比較してみます。圃場の面積はGoogleMapなどを利用すると簡単に割り出せます。左側がドローンでの散布、右側が従来の散布での希釈になります。使用す量が大きく異なることを実感していただけると思います。
今回はドローンを使った農薬散布にまつわるお話でした。実際にどれくらいの量の散布を行うのかをイメージすることにより、より身近に、具体的に感じて頂けたかと思います。今後も私たちの実体験を交えたコラムをお伝えしていきますので、次回もお楽しみいただけますと幸いです。ドローンナビステーション編集部からお届けしました。
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