バーチャル空間とドローンの近未来な親和性│ドローン×テクノロジー
VR空間上で遠く離れた人とコミュニケーションをとったり、現実ではありえない世界に一瞬で遊びに行けたりと、少し前まで夢物語…
みなさんこんにちは!ドローンナビステーション編集部です。
6月に入り、徐々に暑さが増してまいりました。でも一方で、新緑のさわやかな涼しさもまだ残り、行楽などには絶好の季節ですね!
実は日本国内のドローン業界というのは、毎年6月になると様々な動きが活発になります。『無人航空機飛行に係る許可承認申請件数の推移』を見ても、6月は突出して申請数が多くなります(12月~2月冬シーズンの約2倍から3倍にも!)。
しかし一方で、この時期は突然の雷雨にも見舞われる時期でもあります。ドローン飛行に雨と突風は最大の敵です!
一般的に雷雨は局地的な気象状況であることが多く、前もっての予測が難しい現象でもあります。そんな中役立つのが、ホームページで公開されている気象データです。現在では気象観測設備も充実し、周辺の気象情報もほぼリアルタイムで確認できるようになっています。
ドローンでの空撮において、気象状況の把握は極めて重要です。気象条件はドローンの飛行性能や安全性に直接影響を与えるため、適切な判断を行わないと事故やトラブルが発生する可能性があります。気象の影響を理解し、それに基づいて飛行を計画することは、プロの空撮でもアマチュアの撮影でも欠かせません。以下に、具体的な理由をいくつか挙げます。
風速と風向
ドローンは軽量であり、特に風に影響を受けやすいです。強風や突風が吹くと、安定した飛行が難しくなり、撮影した映像に揺れが生じるだけでなく、最悪の場合ドローンが制御を失うことがあります。一般的に、風速がドローンの最大許容風速を超える場合は飛行を避けるべきです。特に空撮では、滑らかで安定した映像を得るために、風が弱いか安定した条件が理想的です。
雨や湿度
ドローンのほとんどは防水機能を備えていないため、雨の中での飛行は回路やモーターが水に侵されるリスクを伴います。湿度が高い場合も、電子機器の誤作動を引き起こす可能性があり、撮影機材が損傷する恐れがあります。特に雨が予報されている日には、撮影の計画を慎重に立てる必要があります。
気温
極端な高温や低温も、ドローンのバッテリー性能に悪影響を与えます。特に低温環境では、リチウムイオンバッテリーの性能が低下し、飛行時間が短くなる可能性があります。高温では、バッテリーの過熱やドローンの電子機器に負担がかかることがあります。そのため、気温に応じてバッテリー管理を行うことが必要です。
視界の確保
霧や濃い雲が出ている状況では、ドローンの視界が遮られるだけでなく、パイロットがドローンを視認することが難しくなります。これは視覚的な飛行(VLOS: Visual Line of Sight)を必要とする法律に抵触する場合もあるため、視界が悪い日は飛行を避けることが推奨されます。また、太陽光が強すぎる場合も、カメラにレンズフレアが生じたり、撮影条件が悪化することがあります。
気圧の変動
気圧の変動もドローンの飛行高度に影響を与えることがあります。特に高山地帯や標高の高い場所では、空気が薄くなるため、ドローンのプロペラの効率が低下し、上昇力が不足する可能性があります。これも、飛行の際には考慮すべき要素です。
気象状況の把握はドローンでの空撮において重要です。
飛行前には天気予報や風速計を利用し、現場での気象条件を慎重に確認することが欠かせません。
ドローン飛行時に役立つ気象情報サイトはいくつかあります。これらのサイトやアプリは、風速や雨、GPS衛星の状況など、ドローンに特化した情報を提供してくれるため、より安全なフライトを計画するのに役立ちます。以下は、日本語でも利用しやすいおすすめのサイトです。
雨情報『レーダーナウキャスト』
https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/
気象庁が提供しているリアルタイムの雨雲レーダー情報を表示するサービスです。このサービスでは、現在から数時間先までの降水状況を詳細に予測し、表示します。特に、短時間で発生するゲリラ豪雨などの局地的な雨雲の動きを把握するのに非常に役立ちます。
風情報『風向・風速情報』
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#elem=wind&contents=amedas&interval=60
気象庁が提供しているリアルタイムの気象データ地図です。このページでは、風向・風速情報を中心に、日本全国の気象状況を視覚的に確認でき、地図上に表示された矢印は、風向きを示し、矢印の長さや色で風速の強さが表されています。これにより、どの地域でどの方向に風が吹いているか、またその風の強さを一目で把握できます。
落雷情報『関西電力落雷情報』
https://www.kansai-td.co.jp/kaminari-info/
関西電力の公式サイトから利用でき、電力設備の保護や屋外での活動時の安全確保に役立つ情報を提供しているため、特に雷が多い時期や雷雲が接近している際に非常に有効です。
現在発生している雷の位置や範囲が地図上に表示され、雷雲の動きやどの地域に雷が発生しているかをリアルタイムで確認できるため、雷の接近を把握し、適切な対策を講じることが可能です。
UAV Forecast
https://www.uavforecast.com
UAV Forecastは、風速、降水確率、雲量、GPS衛星の接続状況など、ドローン飛行に必要な詳細な気象情報を提供するアプリです。特に、風の強さや方向が視覚的に分かるため、飛行が安全かどうかを一目で判断できます。利用は無料ですが、長期予報を利用するには有料プランもあります。
OK to Fly
https://oktofly.com
OK to Flyは、風速や降水確率、Kpインデックス(太陽活動によるGPSへの影響を示す指標)など、ドローンに特化した気象データを提供します。時間ごとの飛行条件が表示され、安全かどうかが色分けされているため、簡単にリスクの把握が可能です。
これらのツールを使って、事前に天候やその他の飛行リスクを確認することで、より安全で効率的なドローン操作が可能になります。
もちろん、これ以外にも様々な気象データが存在します。地元の電力会社が提供する落雷情報のように、地域に特化した気象データや、ライブカメラの映像なども役に立つでしょう。
そして忘れてはならないのが、国土交通省が公示している『緊急用務空域』です。こちらは災害などが発生した場合に、そのエリアのドローン飛行を原則禁止にする措置です。
山火事などで緊急用務空域の指定がなされることが多く、今年に入ってすでに数回、発令されています。こちらも、「緊急事態など自分に関係ないや」と思うことなく、飛行前は必ず確認するようにしましょう。
ドローンの飛行は、前準備が9割とも言われております。万全の準備をもって飛行を楽しみたいですね!
ドローンは現在、娯楽、映像制作、航空写真、物流、農業、防災活動、監視、測量など様々な分野で利活用が始まっています。それに伴ってプライバシーや安全上の懸念、飛行制限区域の把握などドローンを飛行させるために必要な知識と安全な飛行技術の習得は必須です。
卒業制作や趣味の空撮、動画制作などでもドローンが活躍し、ビジネスでもホビーでも今後さらに活用用途が広がります。
弊社が運営するドローンスクール「空ごこち」では機体購入のサポートも行っています。シニアの方や学生の方のご相談、女性のジョブチェンジなど、ドローンについてご相談、お問い合わせはこちら。